さて、自己分析の重要さを理解いただいたところで、今回は具体的な自己分析のやり方についてご説明したいと思います。
あくまでここで記すのは自己分析の一例とはなりますが、ぜひチャレンジしてみてください。
自己分析のステップは、下記の流れで行うことをお勧めします。
- 自分自身の価値観・願望を知る
- 願望の実現のために必要なことを知る
- 詳細な計画を立てる
では、それぞれのステップごとに詳細をご説明します。
1)自分自身の価値観・願望を知る
自分の価値観を知る、というのは抽象的で曖昧な感覚ではありますが、転職活動においてはとても重要なことです。また、その価値観は自分自身の「願望」を知ることでもあります。
そして、面接の際に聞かれることが多い、「何をしたいか」ということに対しての答えの源泉に当たります。
この問いに明確に答えられる人は、その価値観や願望の実現にためには、どんな環境やチャンスを選び取ることが必要なのかを、企業選びや職種選びに具体的に結びつけていくことになります。
答えがみつからない人は、より詳細に過去の自分と向き合う必要があります。
小、中、高時代に夢中になったことは何か。当時の将来の夢は何だったか。
友達間や部活動、サークル活動などにおいて自分の役割は何だったのか。
学生時代に経験した中でうれしかったことは何か。感動したことは何か。また、つらかったことは何か。影響を受けた人は誰か。影響を受けた言葉はあるか。
そうした過去の自分を振り返る質問を自らに問いかけ、自分の現在の願望を明確にしていくことが必要です。
答えの方向性が見え始めたら、その願望をさらになりたい人物像(仕事上の能力・スキルに加えて、人間性まで)と得たいもの(収入や誇りなど)に分けて、さらに明確にしてください。過去の自分を振り返る自己分析を通して自分の願望を知っていくことが重要です。
2)願望の実現のために自分は何をするか、何ができるかを明確にする
次に大切なのは、願望を実現させるためには自分は何ができるか、ということです。社会に対して自分が何を提供し続けることで、その願望を実現できるか、ということです。
「時間」である場合も「能力」である場合もあるでしょう。
社会に対して、仕事を通じて自らの時間とパワーを提供するわけですから、その仕事の意味づけ、つまりその仕事を「誰のために」「何のために」するのか、「時間」なら何時間か、「能力」ならどんな能力なのかを誰にでもわかるように明確にする必要があります。
そのためには、現在の自分の状況、性格を知ることが必要です。自己分析の第2段階です。
自分の長所、短所、特技、趣味の把握、そして、他人からみた自分がどういうふうに映るかをも把握して、総合的に現在の自分を自分で評価します。
過去の自分は何を考え、どのように行動していたのかを把握し、現在の自分の願望にどう影響しているのかを認識し、また現在の自分の状況を把握することで、社会に対して自分が提供し続けていけるものが何か見つかれば、それが自己PRにつながっていきます。
3)価値観や願望の実現のために、詳細な計画をたてる
未来の自分につなげていく過程のためには、願望を明確にするために絞った2つの側面、なりたい人物像と得たいものに沿って、できるだけ具体的な計画をたてておくと、志望動機についてどんな切り口で言われても発言に困らないだけの余裕ができます。
また、何よりも大切なのは、転職によって価値観・願望の実現に近づくような選択肢を選び取ることです。そのためには、面接での合格率をあげるだけではなく、企業や仕事を「見極める」力も必要になってきます。
そうした力は、なかなか自分一人で身につけることは難しく、また第三者の客観的な意見も時には重要になってきます。
そういった意味では、自己分析のタイミングから転職エージェントのようなダイン三者のプロに相談する、ということも有力な選択肢の1つとなるでしょう。
いずれにせよ、自己分析はとても重要なプロセスとなりますので、焦らず腰を据えて、ご自身のスタイルに合った形で深堀っておくことをお勧めします。